木・火・土・金・水、、、という五行の流れの最初に来るのは『木』となります。これは『木気』が東に対応していて、占星術で言う春分点あるいはアセンダントの位置にあるからかもしれません。
この木気は五行の中では唯一生命をもった五行で、これが最初に来るのも、その辺に理由があるのかもしれないと思うこともあります。もし、そうだとしたら陰陽五行の哲理は命あるものの道程をも示しているのかもしれません。
木気は十干で言うと甲と乙に当たります。甲は植物が種の堅い殻を破って今まさに芽を出そうとしている様子を描いた象形文字だといわれます。甲は堅い種から根っこが出た形で、上にも芽を出すと「申(伸びる)」になります。
よく私たちは「自分の殻に閉じこもっていないで、、、」という事がありますが、その殻を破って伸び成長しようという姿がここにあります。
でも、この甲の形から仁が伸び行くには順番があることがわかります。まず根を張ること、それからでないと上には延びては行けませんと教えている気がします。
根を伸ばすのはもちろん大地ですから、大地の象徴する母の心。慈しみ育てる母のような心、、、まず、ここに根っこを張りなさいと教えています。しっかりと根を張れば、木々はそれだけ高く伸び行く事ができるのです。
甲は陽の木で言ってみれば大樹を象徴しています。これに対して乙は陰の木で草花、つる草を象徴しています。甲は太陽を目指してすくすくと伸びてゆきますが、乙である蔓草は巻きつく大樹がなければ上に伸びてゆくことが出来ません。
そこで甲と乙は夫(甲)に頼る妻(乙)に例えると解り易いかも知れません。そして夫婦の関係が「仁愛」の代表的な象徴だと考える事が出来るでしょう。
孟氏は「仁者愛人」といいました。「仁の徳を備えた者は人を愛する」と。。。
その「仁」は「人」という字と同義です。ですから読み替えれば「人は人を愛する」と読む事ができます。仁は「二人の人」と書きますから「愛し合う者が人である」と言っているようにも聞こえます。まあ、だから、愛情のかけらもない人を「人でなし」というのかもしれませんが^^;
夫婦の事を「めおと」と言いますが、これは「妻夫・女夫(めおっと)」の事だと考えられます。でもここでは「芽(甲)乙」と考えたいですね。仁は上下のない二人ですから、甲乙つけ難くなくてはなりませんから(笑)
ところで大樹は上へと伸びます。根っこもあるので上下に伸びることになります。一方で蔓草は支えになる大樹を得ないと地を這って横に伸びようとします。つまり甲と乙は上下左右、全ての方向へ伸び行くものです。
唯一生命を持つ「木気」が全ての方向に伸び行くというのは、私たちの宇宙が生命で満ちている。あるいは生命そのものであることを示しているのだと思います。
その「木」は「水」を吸って伸びてゆきます。陰陽五行では「水」は「情と知恵」を表します。命が伸び栄えるには「情(なさけ)と知恵」が必要になります。もちろん水だけでは木は伸びません。冬に成長する木がないのと同じで暖(火)が必要になります。
つまり「温かい情けや知恵」が揃わないと「仁」は伸び行く事ができません。
面白いことに五行説では「木」は「水」によって育てられ「火」を生み出します。その水と火はどちらも「知」を象徴しています。知恵ある情によって育まれた「木」は、いずれ自らも「知恵」を広めてゆくことになるのでしょう。
孔子は「知者楽水、仁者楽山」といいました。文字通りに解する事もできますが、ここでは「水」は八卦の「坎(かん)」の事で、「山」は同じく八卦の「艮(ごん」の事と解釈しておこうと思います。
その坎も艮も、困難を示す時によく使われます。
坎(水)は、大河を目前にしてどう渡り行こうかと思い悩む象として。
艮(山)は、連なる山々(問題)を前にして、どうやって乗り越えてゆこうかという意味として。
だから本当の知者・仁者というのは諸々の困難を楽しめる人なのかもしれません。。。
ところで木気は火を生じます。
前記事でmoon7cさんから「そうすると、その人を思いやることができて、「礼」が尽くせる・・」というコメントを頂きました。
この「思いやり」は仁の心ですから、礼を生じることになります。「思い」と「思いやり」ちょっとややこしいのですが「思い」には「思慮」という意味があります。ですから
愛の心(思いやり・慈悲)を持つと相手を知ろう(火)という心の働きが出来てきます。知ることは尊重心(礼)を生みます。礼を尽くすために「思慮」が生まれますし、礼を尽くそうという「思い」が強まります。
五行には象徴として色んな意味が持たされていますから、その組み合わせで幾通りにも考えることが出来ます。ですから、このように言い換えてもいいかもしれません。
「より良く生きようと(木)すると知識(火)が必要になります。知識は思慮(土)を深めます」。。。と。
また木気は「志」を示し、火は情熱を示します。そして土を現実とすると。
「意志(木)は情熱(火)を生み、情熱は現実(土)を作る」
と読み替えることも出来ます。
また、この一文は次のように書くことも出来ます。
「意志(木)はエネルギー(火)を生み、エネルギーは物質(土)を生んだ」
また木気は風(空気)を示し、火は血を示し、土は身体を示します。すると。。。
「呼吸(木)は血(火)を作り、血は身体(土)を作る」とも読めます。
五行の象意をしっかりと掴んでおくと様々な応用が利きます。関心のある方は是非楽しんでみてください。その際には是非教えて頂けると、管理人は喜びます(笑)
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